保育スタンス

子どもたちが元気に成長発達するには?

乳幼児期は人間形成の基礎を培う大切な時期です。そのため、保育者は子どもの気持ちに寄り添いながら、見守りや励ましの中で子どもが育つための支援を行っていきます。
子ども自身が、愛され、大切にされていると感じながら、安心で安全な環境の中で生活や遊びの場が保障され、自己を十分に発揮し、様々な体験をすること。また、友だちや大人とかかわることでコミュニケーション力を身につけ、思いやりの気持ちや自己肯定感を育み、生きるために必要なことを学ぶこと。子どもを中心に、保育・保健・給食それぞれの専門職が、連携をとって子ども自身が育つ力をつけていけるように生活や遊びを支えていきます。

遊び

子どもにとって遊びは生活の中心となるものです。楽しく自由にのびのびと遊ぶことで身体の発達や意欲・集中力・想像力・社会性など、いろいろなことを育みます。そのため、保育者は子ども一人ひとりの様子や、友達との関係を理解し、遊びの展開や方向、子どもの発達や興味の把握、落ち着いて遊びに取り組める空間を用意するなど、成長や発達に必要な3つの条件(人、時間、空間)を適切に配慮していきます。

コーナー遊びの設定

◎活動によっては個々の発達や集中的に取り組めるように時間を配慮していきます。
◎保育者は、遊びのタイミングを見計らい、遊びを見守ったり、とらえたり、遊びの提供をしていきます。

丈夫な体づくり

子どもは、乳児のときから見つめたり周りを見まわしたり、手や足を盛んに動かして楽しみます。保育者と一緒に体を動かすことを楽しみ、気持ちを発散させ、運動神経や感覚機能の発達が促され、体がしなやかになり敏捷性が養われます。また、散歩を通して外気にふれ、皮膚や粘膜・足腰を丈夫にします。
◎天気の良い日は、1日1回戸外で遊びます。
◎お弁当をもって近くの公園などに出かけ、歩き遠足やオリエンテーリングを楽しみます。
◎運動遊び(ボール・なわとび・技巧台・鉄棒・かけっこなど)を取り入れていきます。

自然とのふれあい

季節の移り変わりをはじめ、自然の持つ不思議や神秘に出会うことで、発見する喜びや興味が広がっていきます。小動物や植物の世話、観察を通して生命の大切さを知り、季節の変化も楽しむことができます。また、土・砂・水に触れ開放感を味わえる遊びも工夫していきます。

絵本とのふれあい

絵本を読んでもらうことも、子どもにとって心地良いことです。物語の言葉の流れの美しさや絵の美しさに触れることで、悲しさ、楽しさ、うれしさなどの感情体験ができます。年齢に合わせて絵本を選び、言葉の表現や内容、描画に気をつけていきます。 ◎絵本の読み聞かせ…保育士の膝や小グループで読み聞かせをしていきます。 ◎絵本の貸し出し…家庭においても絵本を楽しみ親子でふれあう機会を多くもてるようにします。 ◎図書館の利用…図書館から絵本を借りたり、お話を聞く機会を設けていきます。

表現

歌を聞くことを楽しみ、体を用いた表現で人とつながることを楽しめるように、お友達や保育者とともに、わらべうた遊び、手遊び、歌、リズム楽器などを体験します。その体験での心の動きを絵に描くなど、制作活動へとつなげ、物を作る喜びを育んでいきます。作った物を飾ったり、使ったり、あるいは劇遊びに用いたりすることで、生活や遊びをより豊かなものにしていきます。

文化体験

音楽会やお話しを聞く会・人形劇・伝承遊びを通して文化的な体験をすることで、子どもたちの感性を豊かにしていきます。

発達を促す遊具

心身ともに健やかに育つように体験して欲しい遊びや発達にあった遊具・玩具を保育者は、安全で安心な玩具を選んだり手作りし、用意していきます。

仲間作り

お友達とかかわりながら、周囲から愛され大切にされていると感じることが、子どもたちの成長の基本となります。ときには、お友達とのぶつかり合いや失敗を経験することも大切です。「失敗してもいいんだよ!」という見守りの中で、自分の気持ちを出しながら、お友達や保育者の言葉にも耳を傾けるようになることで、相手の気持ちがわかるようになっていきます。そうした経験が、感情をコントロールし、困難な状況を自ら解決する力につながっていきます。また、年齢の異なる子どもたちとのふれあいの中で、子ども同士で助け合い、一人ひとりのありのままを受け入れ、仲間として、お互いに育ち合っていくことを援助していきます。

言葉

言葉は、コミュニケーションの重要な手段です。乳児期は、笑う、泣くという表情や体の動きで欲求を表現します。保育者がこれに、あやしたり、語りかけたり、表情豊かに応答しながら、言葉で楽しくやりとりをすることが大切です。保育者のやさしい語りかけや歌いかけは、子どもの情緒を安定させ、言葉の発達を援助していきます。幼児期は、自分の気持ちを言葉に表し、自己主張できるようになると共に、日常生活に必要な言葉を獲得します。保育者や友だちと会話を楽しみ、絵本や童話・詩を通して、言葉の面白さ、美しさに気づかせ、言葉を豊かにするとともに、読むことや書くことへの関心につなげていきます。

環境づくり

子どもの生活が安定し、活動が豊かなものとなるために必要な条件として、「人的な環境」と「物的な環境」の2つがあります。これらが相互に関連して機能したときに、家庭的な雰囲気のある保育室が現実のものとなるのです。
「人的な環境」は、保育にかかわる大人の存在が大きく影響します。保育者は、子どもの視点に立ちながら、その興味・関心を読みとり、子どもが課題をもち主体的に活動していけるようサポートします。
「物的な環境」は、子どもの活動が豊かに展開できるよう、テレビ視聴やキャラクター等の遊具はひかえ、人とかかわりあって遊びが発展していくような遊具や玩具を選んでいきます。
季節の花が飾られ、清掃が行き届いた室内や園庭の中で子どもたちが気持ち良く過ごせるようにしていくことも大切です。明日も行きたいと思える環境作りを工夫していきます。

行事

子どもたちは、行事への取り組みを経験することで、チャレンジすることや達成感を味わい、自信へとつなげます。保護者の方も参加して一緒に楽しむことで、子どもの成長を確認し子育ての喜びにつながります。また保育園のことを知る機会のひとつにもなります。他の子どもにも目を向けて成長を喜びあいます。
大きな行事は、運動会、発表会、卒園式です。このほかに、子どもの年齢に合わせた伝統的な行事、季節的な行事も、日々の保育の中で行っていきます。

基本的生活習慣

人間として生きていくために必要な生活習慣である食事・睡眠・排泄・清潔・着脱などを、個人差や家庭生活にも配慮しながら、身につけていけるようにします。成長するにしたがって保育者との信頼関係・安心感を土台に自ら生活の自立に向けて、あらゆることに主体的にかかわっていきます。保育者は、子どもの気持ちの芽生えや行動をしっかりととらえ、先回りせずに待ち、見守りながら一人ひとりの現状にあった援助を心がけていきます。
◎食事では、食べることに集中できるようにテーブルの配置や子どもの席を同じ場所にしていきます。特に乳児は、同じ担当者が食事の介助をしていきます。
◎午睡は体を休めることで午後の生活を豊かにします。安心して休息できるよう、布団の配置に配慮していきます。

健康

乳幼児の成長していく過程においては、生命の安全と健康管理が大切になります。乳児は、体調が急変しやすく自分からは体の異常が言えない年齢です。身体機能が未熟な産休明け児については、全ての面で大人の養護が必要となります。
保育者は、常に生活リズム・安全衛生面に配慮しながら子どもの心身の発達を手助けします。
また保護者と保育士・保健師・看護師が連携して、子ども一人ひとりの機嫌・顔色・表情・食欲・睡眠状態等を視診し、必要に応じて対応し、子どもの病気や異常の早期発見と予防・感染症の流行の防止に努めます。 安全面においては、怪我や事故防止のため園舎内や園庭の点検を行い、環境の整備をしていきます。怪我や事故発生時には、応急手当や保護者への連絡などを専門職で連携して、迅速に対応していきます。乳幼児突然死症候群(SIDS)の未然予防のために乳児・幼児それぞれの年令にあわせた午睡チェックなどを実施していきます。

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